野球肘

野球肘ってどんな症状?

野球肘は、ボールを繰り返し投げることで肘が痛む症状を言います。
『野球肘』というのはあくまで俗称であって、その実態は様々です。

野球肘

関節には動きをスムーズにするために軟骨が存在していますが、同じ動作を繰り返し酷使すると軟骨がはがれてしまうことがあります。
進行すると痛みとなってサインを出します。

また、靱帯を損傷している場合もあります。

投球中や投球後に痛みとして現れます。

どうして痛むの?

軟骨同士が接触することによって痛みを感じるとされています。また、肘の外側では靱帯が伸びて痛みにつながることもあります。

いずれにせよ、痛みは身体からの大切なサインですので、放っておかず診察を受けることが肝要です。

どうやって診察するの?

レントゲンで診断します。それでも明確にならない場合、MRIを撮ることもあります。

治療法は?

安静が基本です。肘の外側が痛む場合、治療は長引くことがあります。また、手術を勧める場合もあります。

野球肘を予防するために

野球肘は、肘の酷使による負担増が原因です。全日本軟式野球連盟は投球数制限について丁寧に定めており、1日の投球数上限が70球になっています。

このルールに頭を悩ませる指導者も少なくないと聞きます。勝つためには複数の投手を育成しなければなりませんし、起用法も考えなければなりません。

けれどポジティブに考えれば、子どもたちの未来を守るための取組で、ピッチャーとしてマウンドに立てるプレイヤーの数が多くもなります。子どもの可能性を信じ、それを守りながらチームスポーツの素晴らしさを共有できれば素敵ですね。

親御さんにおかれましては、頑張っているお子さんを見守っておられ、少し無理してでも公式戦に出させてあげたいと考えたりなさることもあるでしょう。
同じチームのライバルに打ち勝つため、自主練をなさることもあるでしょう。

「もうちょっとできるよな?」
「大丈夫だよね?」

こんな風にお子さんに尋ねていらっしゃいませんか。
大好きなお母さん、お父さんからこうやって言葉をかけられると「無理」とは言いづらいもの。

「このぐらいにしておこうか」
「絶好調の時とくらべてどんな感じ?」

など、尋ね方を変え、お子さんの本音を引き出しながら心と身体のケアをするのも方法の一つですね。

特に小学生年代の身体はまだまだ弱く、コンディションに合わせて能力を伸ばしていくという育成側の工夫や時に我慢が求められます。

未来の大谷翔平選手を目指すためにも、焦らず、諦めず、親子で楽しい時間を過ごしてほしい…だからこそ、お子さんの心身の変調はしっかり捕まえて、身体の不調があればお気軽にご相談ください。

お子さまのお怪我と整形外科の治療について

小さなお子様のお怪我でお困りですか?

  • 擦り傷や切り傷の診療も致します。
  • 打撲、打ち身は経過を観察しましょう。
  • 迷った時はまず電話で確認してみましょう。

擦過傷も整形外科で初期対応できます。

小さなお子様は、外遊びの中で転んだりすることがよくあります。
皆さまの小さな頃も、肘や膝にはいつもカサブタがあったのではないでしょうか。

そんな日常的な擦り傷や切り傷も、気になるようであれば整形外科で診療することができます。
もちろん、軽い擦りむき傷であれば、必ずしも通院する必要もありません。
水でよく洗い流し雑菌などを落としてから圧迫止血して様子をみましょう。
擦り傷を作ると、そこから液体が滲み出てきます。これは、身体が傷を治そうとしているためで、その滲出液で保湿しつつ傷を覆うと良いでしょう。
ただし、傷口から感染する可能性もありますので、最初のうちは、傷パッド等はこまめに張り替えるようにしましょう。

一方、傷が深く出血が止まらなかったり、傷が開いている場合は通院して医師の処置を受けると安心です。

今の子育て世代の親御さんは、幼少期にまだ外遊びで擦りむき傷を多く作っていらっしゃった年代ではないでしょうか。
大切なことは、親御さんの感覚で「これは手に負えるかどうか」を見極めることです。
難しいと思えば、後で後悔しないためにも迷わず受診なさるのが安心です。

打撲、打ち身も要注意

お子さんが打撲や打ち身をなさってとっさに「大丈夫?」と聞くと「大丈夫」という答えが返ってくること、多くありませんか?
子どもは親に迷惑をかけたくないですし、その痛みを放置しておくとどういうことになるかもまだ分かりません。
痛いと言ってお医者さんに行くのも嫌だし…と痛みの程度を正確に伝えないことも十分考えられます。
実際、捻挫・打撲・骨折の区別は見た目には分かりにくいもので、親御さんも判断に迷われることがあるでしょう。

腫れが引かない時や、受傷部位を動かしづらそうにしている時は受診のサインです。
「大丈夫?」と言った言葉がけでなく「いつもと比べて動かしにくいんじゃないか?」「最初よりもっと痛くなってるんじゃないか?」など、お子様の痛みの程度がより分かるような言葉がけを工夫するのも良いでしょう。

迷った時はまず電話で確認してみましょう

お子さんの診療科として最初に思いつくのは「小児科」でしょうか。
しかし、外傷については整形外科が専門領域ですし、親御さんとしてはどこに受診すればいいのか迷われる場合もあるでしょう。
その場合、診療時間内にお電話頂きましたら職員が確認して対応させて頂きます。
お電話でのお問い合わせについて医師が直接対応することはありません。事務職員がお電話をお受けした後、ご返答させて頂く流れとなり、院内の混み具合によっては折り返しでのご連絡になる可能性もございます。

診療とは関係ありませんが、当院にも子どもさんを持っているスタッフが在籍しています。子ども向けの共済に加入していれば、通院1日でも保障が受けられる商品もあるそうなので、お子さんがいらっしゃればそういった商品を検討してみてもいいかもしれませんね。

医療機関にはかからずに済むのが一番ですが、お子さんの状態を注意深く観察し、ご不安を感じられるようであれば、迷わず受診するのが安心です。
ご参考になさってください。

オスグッド病

オスグッド病ってどんな症状?

オスグッド病は、膝の下あたりに痛みを感じるのが特徴です。小学校中高学年から中学生年代での発症が多く、飛び跳ねたりボールを蹴ると言った動作を反復することで痛みを感じてきます。激しく動かさなければ痛みはなくなりますが、スポーツに復帰すると痛みも再発してきます。男性に多いと言われています。
整形外科ふくやまクリニックがオズグッド病について解説しています。

どうして痛むの?

骨と骨とは上手く連動して動くためにつながっている必要があります。その骨と骨をつなげる組織を「靱帯」といいます。太腿からスネ(脛骨)につながる靱帯を膝蓋靱帯(膝蓋腱)と言い、膝を動かすためにその膝蓋靱帯を使っていると、まだしっかり骨として出来上がっていない成長軟骨部がはがれるような状態になります。たとえで言うと、紙にセロテープを少し貼り付けて、貼ったセロテープを引っぱっていると紙が破けてしまうような感じです。セロテープが膝蓋靱帯、剥がれた紙が成長軟骨部のイメージです。

どうやって診察するの?

問診とレントゲンで診断することができます。

治療法は?

安静にして膝の負担を軽くすることが基本で、ストレッチなどのリハビリテーションが有効です。また、スポーツ後に痛みが生じる場合、大腿四頭筋のストレッチや痛む場所へのアイシングを行います。痛みが強い場合は、投薬や湿布も考えられます。

この年代のお子さんはレギュラー争いもあって、痛みがあっても我慢し、親御さんに言わずいるケースも考えられます。応援に行った際などに変調に気付けば整形外科を受診して、痛みをケアしながらスポーツを続ける方法について助言をもらうなど、周囲が早めにサポートしていくことも大切です。